大井町から東京の福島先生の外来受診を経て紹介されてきた小児腫瘍。昨年、部分摘出を行い、Multilayered rosette-forming embryonal neuroglial tumorという稀な腫瘍であることが判明し、小児科に化学療法を依頼し、造影効果はかなり軽減したが、これ以上縮小しないため手術となりました。前回は側頭開頭がメインであったので前頭、頭頂部に拡大しました。再手術でしたが出血は少なく開頭できました。最初にSEPを用いて中心溝を同定し、中心溝を剥離してその後ろを摘出することで麻痺を回避しました。頭部を三点固定できない年齢でしたがこのような場合は磁場式ナビが大変有効でした。ある程度摘出した段階で術中CTを行い、前頭側にかなり残存があったため再度摘出を行いました。深部の脳室内腫瘍は脳室壁とくっ付いておりEpendymomaのように見えましたが大変易出血性でした。結局手術時間は7時間、260cc出血、輸血2単位が必要であった。吸収性プレートを用いて頭蓋骨を形成しましたが、以前より作業時間がとても短くなっていました。術後麻痺は出現せず経過は良好です。
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