三叉神経痛の10%前後は腫瘍により血管が変位し、三叉神経基部を圧迫して生じると言われていますが、今回は髄膜腫による三叉神経痛でした。2年前から右三叉神経痛を生じていましたが、最近では食事もできないほどで投薬ではコントロールができず手術を希望されて来院されました。腫瘍を全部摘出するには侵襲が大きいと考え、後頭蓋窩の腫瘍摘出と三叉神経の減圧を行いました。結局腫瘍をとっていくとSCAは当たっておらず、Petrosal veinだけが当たっていましたが両方トランスポジションしました。ABRは2秒潜時が遅れたが高さは変わりませんでした。術直後には三叉神経痛は消失しており、聴力、顔面神経やその他の神経学的の機能も温存されました。
術後、三叉神経周囲のみ腫瘍の減圧がなされています。腫瘍が増大すればtranspetrocalなどで根治手術を行うことは初回手術前に説明してあります。