かなり強い左顔面けいれんの患者さん。ボトックスを続けていましたが効果がなくなってきたため手術を希望されました。画像では左椎骨動脈が顔面神経REZにめり込むんでおり、手術は通常より困難が予想されました。副神経の脊髄枝と迷走神経の間で血管テープを用いて椎骨動脈を外側に牽引するとそれだけでAMRは消失しました。舌咽神経は屈曲蛇行したvで小脳片葉に押し付けられ舌咽神経とAICA近位部は小脳片葉と癒着していました。まずAICAを小脳半球から剥離して近位に辿り、舌咽神経とAICA近位部を小脳片葉から剥がそうとしましたが、頻回にABRが低下しました。そこで次に、迷走神経と聴神経の間の椎骨動脈を血管テープを用いて外側に引き出すように牽引すると、REZに当たっていた椎骨動脈の屈曲ループが外側に出てきました。今回は聴神経のくも膜を切開して伸ばし、辛抱強く舌咽神経とAICA近位部を小脳片葉から剥がしていると、完全切離が達成され、顔面神経のREZを見ることができました。さらに屈曲していたAICAを伸ばすことができ、テフロン繊維で外側に転位することができました。ICGで全ての血管が流れていることを確認し、閉塞しました。椎骨動脈圧迫型は遠位部から少しずつ椎骨動脈を外側に動かしていくことが大切なようです。
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