顔面神経背側走行型の聴神経腫瘍を手術しました。2ヶ月間一過性顔面神経麻痺が出ました。


2024年8月 76歳女性の右聴神経腫瘍(32mm)を手術しました。一過性顔面神経麻痺が出ました。今回はSonopetではなく、Codman CUSAClartyをデモしましたが骨削除、腫瘍減圧とも快適に手術ができました。顔面神経が腫瘍の手前(背側)を走るDorsal typeでした。福島・鮫島先生の論文でも稀と報告されていますが2例目の経験でした。このタイプは腫瘍の摘出も顔面神経の温存も難しいとされており、本例も結局腫瘍の途中で顔面神経が「く」の字に折れ曲がっており、この部の剥離を境に反応が低下しました。刺激装置で最終0.3mAで反応はありましたが、大きな音は鳴らなくなりました。本例も内耳道底部で腫瘍と顔面神・蝸牛神経がきれいに分離できるタイプで、大型腫瘍でしたがLateral to medial dissectionができました。術後顔面神経麻痺が出ましたが、0.3mAの反応が残っていたためか、1ヶ月くらいから回復し、2ヶ月で完全回復しました。

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